母の実家が、「山と渓谷社」発行の「京都まちなか歩く地図帳 '09-'10 」に
掲載されました。
(2008年11月20日発行 通巻222号)
母の実家は、「竹定」という竹細工のお店です。
現在で四代目になります。
先代(三代目竹定)は、主に料亭やお屋敷の生け垣、門扉や
ネズミ返しなどを手がけていました。
現在はそれに加え、靴べら、ひしゃく、花器など多様なものを手がけています。
昔懐かしい「竹とんぼ」も作っており、小学校の理科の教材として
使っていただいています。
竹笛を作るために、遠方から竹を買いに来られるお客様もいるそうです。
かわいい竹の和雑貨も作っています。
身内が言うのもなんですが、四代目の竹定は手先が器用です。
「こんなものが欲しい」と言えばおそらく、たいていの物は
作るんじゃないかと思います。
関西へ帰省したときにいつも寄るのですが、行くたびに
四代目が作った色んなものを見せてもらい、楽しませてもらっています。
また、四代目は五条界隈の歴史にも詳しく、付近の地名の由来など、
なぜこの地名がついたのかという話なんかも聞かせてくれたりします。
以前は、学術書や歴史書にも載ってないような、地元民しか知らない
いわゆる「口伝え」の話も聞かせてくれました。
「竹定」は、以前は住居だった京都の町家を、
今は作業場&ギャラリーとして使っています。
余談ですが、台所には「おくどさん」と呼ばれる「かまど」も
いまだに残っています。
祖母が元気だった頃は、お正月にみんなが集まった時に
この「おくどさん」で炊いたご飯を食べさせてくれたものです。
「おくどさん」で炊くご飯は、炊飯器で炊いたのとは全然違う、
なんとも香ばしいご飯です。
私がアンティークに興味を持ちだしてからは、階段たんす、
水屋、黒光りする大黒柱などを見るのも大好きでした。
昔、骨董商が来て、階段たんすを売ってくれと言われた
こともあったようですが、祖父・祖母は断ったそうです。
おかげで和のアンティークが多く残されています。
元禄時代に書かれた木簡や、右から左へ文字が書かれた
アサヒビールの木箱など、見たら興奮してしまいます。
竹定には、外国のお客様もよく来られるそうです。
玄関の土間の壁際に、ズラーッと並べられた竹を見て、
珍しがって写真を撮って行かれる方もいるとか。
京都へお越しの際は、五条の「竹定」へぜひお越しください。
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「竹定」
京都市東山区大和大路通五条下る2丁目上棟梁町120
8:30~18:30
不定休