2010年06月16日

旦那の臨死体験1

旦那の臨死体験1

旦那は二度、あの世へ行きかけています。

一度目のときは沖縄で。
二度目は故郷の長崎で。


二度とも、臨死体験らしきものをしたらしいです。
聞いた話が不思議だったので、書いておこうと思います。


まずは一度目の、沖縄での体験を。

危篤になるまでのいきさつなど、細かい話は省きます。



* * * * * * * * *

「ただいまご主人は、意識がなくなって、完全に呼吸も止まりました。
もうお時間がありません。ご家族をお呼び下さい。
急がれた方がいいと思います。」
とN先生から告げられました。


意味が分かりませんでした。


・・・え。

今日、自分でバイクを運転して病院へ来たんですよ・・・。
数時間前まで、会話していたのに・・・。



家族に電話しましたが、沖縄と本土なので、電車や車ですぐに
というわけにいきません。
夜だったので、もう飛行機も飛んでませんでした。
家族もショックで生きた心地がしなかったと思います。
明日の飛行機で来るとのことでした。




先生から何か説明されましたが覚えてません。
紙にサインしたような気もします。
人工呼吸器を装着しますとかそういう話だったような気もします。

処置を終えた旦那のところへ行くと、ベッドに横たわり、
口に人工呼吸器の蛇腹ホースが突っ込まれていました。

アゴとホースを包帯で巻いてつなぎ、抜けないように固定してありました。


人工呼吸器が時々、エラーを起こしてピーピーとアラーム音を
鳴らしました。

N先生は「自発呼吸が少しだけあるんですね」と言っていました。
人工呼吸器の空気が、自発呼吸で押し返され、すんなり
入っていかない時にアラームが鳴るようでした。



ああ、呼吸はしているんだ・・・。

完全に呼吸が止まってしまったわけではないんだな・・・。



「今夜がヤマ場です。」というN先生の言葉を、
「ドラマみたいなセリフやなぁ・・・。」と冷静に聞いてる自分がいました。
笑えないのに。


集中管理室のような部屋に入れられ、消灯の時間となりました。

夜の病院はすごく静かです。

消灯した病室は薄暗く(非常灯はついていましたが)、
そのことが不安をかき立てました。

旦那のベッドの横に椅子を置き、暗い闇にまぎれて旦那が
連れて行かれないよう、旦那の手をぎゅうっと握りしめて、
手の感触によってこの世につなぎ留めようとしていました。

そして、強烈な光を頭に思い浮かべ、大丈夫、大丈夫、大丈夫、
と繰り返していました。
旦那に向けてですが、自分に向けてでもありました。

昔、霊や魔物的な存在は光を嫌うから、暗闇にいても
頭の中に光を思い浮かべれば寄ってこない、と聞いたことが
あり、それを実践していました。
すごく滑稽かも知れませんが、その時は旦那を連れて
行かれてなるものかという思いで必死でした。

光を思いうかべながら、「生きる!」「生きる!」と念じ続け、
また、彼の耳元でずっと
「愛してるよ」「愛してるよ」「愛してるよ」と言い続けていました。

意識不明になっても耳だけは聞こえている、ということを
前にテレビでやっていて、それを思い出して、とにかくずっと
言い続けていました。



翌朝。

家族が到着しました。

手を握ってもらったり、名前を呼んでもらったり。

何日か予断を許さない状況が続きましたが、先生の処置の
おかげもあり、どうにかこうにか旦那の意識も回復。
なんとか安心できる状態にまでなり、家族も本土へ帰りました。

回復したあと、しばらくして旦那が
「臨死体験みたいなのをしたよ」と話してくれました。

「自分は暗い霊安室みたいな部屋に寝かされていた。
自分の周りに人が集まっていて、いよいよ最期の別れ、という
雰囲気だった。
そしたら急に、PCの電源が落ちるみたいに画面がパッと消えた。
消えた後、『プログラムミスによりやり直し』みたいな文字が
出て、気づいたら生き返っていた。
その間ずっと、誰かが耳元で【愛してるよ】と言ってるのが聞こえていた。
自分はその声に導かれて戻ってきた。」
と。


家族全員、不思議な気持ちで聞いたものです。


ただ、しかし。

この話には落ちがありまして・・・。
元気になってから旦那は、すごくムカツクことを言いやがりました。

「ずっと耳元で【愛してるよ】と言ってたのは、なんか知らんけど
タレントの優香だった。」

と。


(OдO)え?優香?!

そんなぁぁぁー!私が言ってたのよー!

(TДT)なんですかそれー!

旦那のアフォー!



・・・ちなみに旦那は、特に優香のファンとかではないそうです。
「なんで優香だったのか不明。」と言ってました。
私は、優香には似ても似つきません。

これが一度目の話です。


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Posted by プーゲンビレア at 16:46│Comments(0)在宅看護
 
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